じゃがいもにはいろいろな品種が存在していることをご存じでしょうか?代表的な品種としては、男爵芋やメークインがあります。しかし、時折「馬鈴薯」という言葉でじゃがいもを指す人もいることでしょう。
「馬鈴薯」とは一体何なのか、それが特定のじゃがいもの品種を指すのかどうかなど、多くの疑問が浮かぶかもしれません。この記事では、そうした疑問に答えていきたいと思います。
馬鈴薯とメークインと男爵の違いは?
スーパーマーケットの野菜コーナーでよく見かけるメークイン、男爵、そして馬鈴薯。これらは全てジャガイモに関連する名前ですが、一体どれが何を指しているのか混乱しがちです。
これらの関連性や違いについて詳しく見ていきましょう。
「馬鈴薯」という言葉の起源
実は、「馬鈴薯」とジャガイモは同じものを指します。
この呼び名は中国由来であり、元々は中国で「ホドイモ」と呼ばれるマメ科の植物を指していました。しかし、江戸時代の終わり頃にある学者が「ばれいしょ=ジャガイモ」と発表したことで、この名前がジャガイモの別称として使われるようになったのです。
ジャガイモ自体は約1600年前に日本へ伝わり、オランダ人がジャワ島経由で持ち込んだ野菜です。最初は「ジャガタライモ」と呼ばれていましたが、後に短縮されてジャガイモという名前になりました。
この情報から、馬鈴薯が日本でジャガイモの一般的な呼称の一つとして使用されていることが理解できるでしょう。したがって、「馬鈴薯」という言葉が出てきたら、それがジャガイモの総称であると認識してください。
メークインと男爵の顕著な違い
メークインと男爵芋は、でんぷん含有量によってその食感が異なります。これが、ジャガイモを選ぶ際の重要な違いの一つです。
でんぷん量の多寡は、これらのジャガイモが持つ独特の特性を形成し、私たちの食事に大きな影響を与えます。以下では、メークインと男爵芋のでんぷん含有量とその影響について掘り下げます。
メークイン
メークインはでんぷん含有量が少なめです。
表面が滑らかで、楕円形が特徴的です。でんぷん含有量が16%未満であるため、高い粘性を持ちます。
これにより、しっとりとして細かな食感が楽しめ、加熱時に形が崩れにくいというメリットがあります。
男爵
一方、ゴツゴツした表面を持つ男爵芋は、でんぷん含有量が16%以上と高く、粘性が低めです。このため、粉質で、加熱するとホクホクとした食感になり、特に焼き芋やマッシュポテトに適しています。
じゃがいも(馬鈴薯)の品種と料理の使い分け
今回はじゃがいもの様々な品種についてご紹介します。各品種には独特の特徴や利点があり、これを知ることでより効果的な料理の使い分けが可能です。
メークイン
メークインはイギリスから来たじゃがいもで、日本には大正時代に導入されました。元々は「May Queen」という名前で知られています。
メークインは滑らかな表皮が特徴で、楕円形で長く、他の種類よりも皮が剥きやすいです。食感は滑らかで粘りがあり、甘みが強いため、消化が良く食べやすいです。
色は男爵芋に比べて黄色く、煮崩れしにくいので煮物に適しています。
おすすめ料理は、肉じゃが、ポテトグラタン、カレーライス、ジャーマンポテト、ポトフなどです。
男爵芋
男爵芋はアメリカ原産で、日本では川田龍吉男爵によって持ち込まれた「アイリッシュ・コブラー」の試験栽培から始まりました。
男爵芋は丸みを帯びた形で、表面には凹凸が多いため皮が剥きにくいです。しかし、その食感はホクホクしており、粘り気が少ないため、フライドポテトやポテトサラダ、コロッケ、じゃがバターなどに最適です。
つづいて、メークインと男爵芋以外の人気がある品種を紹介します。
インカのめざめ
インカのめざめは、アンデス地方の在来種とアメリカの品種を交配して生まれたジャガイモです。
この品種名はアンデスの古代帝国に由来しており、やや縦長で内部が濃い黄色い色をしているのが特徴です。粘り気が強く、そのためカレーやシチューなどの煮込み料理に最適です。
また、その鮮やかな黄色はサラダやお弁当の彩りにもぴったりで、多様な調理法に対応できるのが魅力です。
キタアカリ
キタアカリは、北海道の試験場で男爵芋とツニカ種を交配させて生まれた品種です。栗じゃがいもや黄金男爵とも呼ばれ、その鮮やかな黄色い色合いが特徴です。
外見は丸くてゴツゴツしており、男爵芋に似ていますが、男爵芋よりも甘く、蒸したときには特にホクホクとした食感が楽しめます。
このため、じゃがバターやポテトフライなどに適していますが、煮物には向かないことが一般的です。
まとめ
馬鈴薯、メークイン、そして男爵は、全てジャガイモに関連する用語です。
馬鈴薯はジャガイモの一般的な呼び名であり、メークインと男爵は特定のジャガイモの品種です。これらの品種はでんぷん含有量の違いから食感に差が生じます。
料理の種類に合わせてこれらのジャガイモを選ぶことで、家庭でさらに美味しいジャガイモ料理を作ることができます。次にスーパーマーケットへ行く際は、メークインと男爵を比べてみるのも良いでしょう。
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